カレーに夢中。-Spicy Life-

カレーが食べたくなるブログ。

季節が彩る野菜の美味しさ。【かえる食堂 池袋】


好きすぎるお店ってのは気合いが入りすぎてなかなか書けないもんです。今回のはかなりの筆圧高め。

 フリースタイル何でもありの大阪スパイスカレーに心酔していた僕は、関東に来てしばらくの間、東京のカレーがどうも型にはまった面白みのないもののように思えてたんです。伝統の欧風カレーもインド料理も、確かに美味しいんだけど予想出来る範囲内の美味しさで感動がない。今はまたその考えも大分変わって来ましたけども当時はそんな風に感じてたんです。 そんな中で斜め上からの感動をくれたカレーライスがこちらのお店、かえる食堂でした。

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立教大学の程近く、路地裏にひっそりと。
営業は11:30~17:00とお昼だけ。こんな店が近所にあって夜もやってたら通いつめて入り浸るんだけどなぁ、いや寧ろかえる食堂が夜営業してたらこの近くに引っ越すわ、ってくらいに好きな店。日月休みってことで会社員の僕が行けるのは土曜のランチだけ。立教に通ってたこともあり在学中にこのお店のことを知ってたらなぁ…と悔しさに歯を食い縛る思いです。 ちなみにご主人も立教の出身ということで、何気に先輩でした。

 盛り付けはシンプルなカレーライス。ポンと盛ったご飯にサラサラのカレーソース。さりげなく添えられたレモンは後半で風味を変えてくれます。 

ミックスカレー。鶏手羽2本と野菜が入ったメニュー。初めての人は是非こちらから。
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このお店の何が凄いって一つ一つの野菜からお肉までそれぞれの下ごしらえが違っていてシンプルなのに、とにかくおいしい。 札幌スープカレーみたいに素材一つ一つがドヤっと自己主張してる訳ではなくて(←札幌スープカレーをディスってる訳ではありません。大好きです。笑)さりげなさの美学のようなものを感じます。目立たないところまで手を抜かないご主人の人柄を感じるというか… ミックスカレーで言えば鶏手羽がやはり主役ですが、脇役の仕事が実に素晴らしい。いやもはや野菜を脇役と呼ぶこと自体が失礼なんじゃないかと思うほど。

大阪のスパイスカレーのスピリットって自分が美味しいと思う組み合わせを何でもありでやってみたらええやん、美味かったらええやん、ってことだと思っていて。その何か色々試してみて拘ってみたらおもろいのが出来た感が凄く好きでした。ただ合いがけにしてカスリメティ振りかけといたら良いもんじゃないと思うんだよなぁ。 僕が一番好きなカレーは何でもありで『そうきたか!』と思わず言ってしまうようなちょっと変な(←褒め言葉です)カレーということもあるんですけど。 

そういう僕の趣味嗜好もあり、胃袋を鷲掴みにされたのが変わり種のこのメニュー、担々カレー!
 胡麻の香りと唐辛子のパンチの効いた辛さ、花椒の痺れるアクセント、後半にレモンを絞った後に加わってくる酸味…たまりません。 

担々カレーに手羽元2本トッピング。メニューにないけど手羽元足してもらってます。(一本100円)これが僕のいつものやつ。ちなみに上が夏ので下が冬の。

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そして季節で変わる野菜の数々。
ゴボウに大根、カブ、さつまいも…お、今日はじゃがいもか、これ何の野菜だろう?美味しいな。あぁ、今の季節はこの野菜も美味しいですよね、と…食べすすめる度、季節が変わる度、来る度に、変わる野菜が彩る美味しさ。
今日はどの野菜が入ってるんだろう?というワクワク感と期待を裏切らないんです。それでまた一つ一つ、下味つけてたり煮てあったり、全然分からないんですけど拘りだけは垣間見える。

担々のあまりの中毒性になかなか他のメニューが食べすすめられてませんでしたが、昨日どうにか『みどりのカレー』を食べて一応一通り制覇出来ました。(チキンと野菜はミックスで食べたことにして、キーマは担々の醤抜きなので、という少しズルですけども。)

繰り返される担々の誘惑、振り切って他のメニューを頼んでここまで来るのに1年半かかってしまいました…

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↓これが今のメニューリスト。豆カレーがレギュラー入り。
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↓こっちは前のメニューリスト。
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地味だけど滋味です、のキャッチコピーが秀逸な豆カレー。豆が彩る優しい味です。女性受けは抜群に良さそう。飲み過ぎた次の日なんかにも食がすすんで癒されそうです。

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軟骨ソーキカレー。これも結構な変わり種!お肉の調理にご主人の拘りを感じます。また食べたいな、と思いつつ立ちはだかる担々の誘惑に勝てず…そろそろ頼もうかな。
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そしてみどりのカレー。発想はサグカレー的なんですけど青菜のペーストでこれもやはりかえる食堂の拘りを感じさせる一品。なんやかんやで手羽元食べたくて足してもらいました。かえるの絵がかわいい。
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そして忘れちゃいけない海南チキンライス。担々食べたいけどこれもトライしてみたいとわがまま言ったらハーフサイズで出してもらえました。面倒な客ですいません…ってか振り返ってみてもどんだけ担々カレー食べてるんだか。
これも勿論美味しい!ハーフサイズが許されるなら毎回でも頼みたいくらい。

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食後には是非デザートを。
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かえる食堂はご夫婦で営業されてるんですけど奥さんが作るシフォンケーキとキャラメルアイスがこれまた絶品なんです。正直言って僕はパンとかパンケーキとかの類いのものってあまり好きじゃないんですけど、ここのシフォンは別物。毎回食べてしまう位に好きです。キャラメルアイスも甘さが絶妙。甘過ぎず、ほろ苦い少し大人の味。シフォンケーキも日によって味が変わります。行ってみてのお楽しみ。
おすすめはシフォンケーキとキャラメルアイスが両方食べれる贅沢なシフォンサンデー。
ほろ苦いアイスがふわふわのシフォンに染み込み奏でるハーモニー、担々カレーの辛さに痺れた舌に染み渡ります…
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日によっては別盛りの方が美味しいですよ、とご提案もあったり。
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こちらはアイススパイスティー、インドのマサラチャイとはまた少し違う味わいです。

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カレー・デザートが美味しいのもさることながらご夫婦の人柄も素敵なお店。
これからも通い続けます。



君の胃袋を掴みたい。【初心者のための、スパイスから作るカレー】


『美味しいと言わせたい。』

ダイエーのPB、美味しくたべようのキャッチコピーです。
これ、聞いた時凄く分かる!と思いました。

カップルだったら恋人に、主婦だったら家族に、シェフだったらお客さんに『美味しい』と言わせたい。
すべからく料理をする全ての人のやりがい、楽しみは突き詰めればこれだと思います。

僕はというと最近考えてることはもっと極端で、食べる人の胃袋を掴みたい。
普通の『美味しい』じゃ物足りなくなってきたんです。

そもそもが食べ歩きをしてる中で僕が胃袋を鷲掴みにされる程の感動に出会ったことがきっかけでした。美味しい店を紹介したい、この感動を知って欲しいというところに始まり、食べる人の胃袋を掴めるような料理を作りたい、カレーとスパイスの面白さを伝えたいというところまで来てしまいました。

独学でやってた料理も、一昨年料理教室に通い、スパイスの基本的な使い方も徐々に分かってきたところ。。
(学ぶことは多く、勿論のことまだまだ道半ばですが…)

何かと難しいと思われがちなスパイスの使い方、ポイントは分量よりも火のいれ方と調理工程だと思います。

※写真は調理工程のイメージです。僕が普段作るときはもっと沢山スパイス使ってるんですが、レシピでは使うスパイスを極限まで少なくしてます。
最初から沢山のスパイスを使いすぎるとどのスパイスがどんな役割をするのか良く分からなくなるため、少ないスパイスからメニューに合わせて増やして行くのがおすすめです。
基本のスパイスはクミンシード・ターメリック・レッドペッパー・ガラムマサラの4つ!ガラムマサラを1つってカウントしてるのはちょっとズルいかもですが多めに見て下さい。(もっと突き詰めるとしたらガラムマサラじゃなくてコリアンダーになりますが…)

◆茄子のキーマカレー

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・ホールスパイス
クミンシード小さじ1

・パウダースパイス
塩小さじ1
ターメリック小さじ1
ガラムマサラ小さじ1
レッドペッパー小さじ1/3→中辛くらい。1/2から2/3→辛口くらい。お好みで後で足しても調整出来ます。
コリアンダー小さじ2(無くても可)
ブラックペッパーお好みで適量(無くても可)

・ねりスパイス(面倒でなければ生のものをすりおろした方がより良し。)
にんにく大さじ1くらい
しょうが大さじ1くらい

・具材
玉ねぎ中1個(みじん切り)
トマト中1個(ザク切り)
鶏もものひき肉400g
茄子2本
水200ml
※お好みでししとうなど好きな野菜を足してもOK

◆手順◆
①熱した油でホールのクミンを炒める。
※シュワシュワと泡が出てきて香ばしい香りが漂ってくる位が目安です。炒め過ぎると焦げるので注意!
調理の最初で油で炒めるホールのスパイスをスタータースパイスと言います。何かと分かりにくいホールとパウダーの使い分け、基本的には調理の最初に油で炒めて使うのがホール、パウダーは中盤で使うのが一般的です。調理の最後にホールのスパイスを炒めて加えるタルカというのもありますがそれはまた別のところで。

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②みじん切りの玉ねぎを加え、飴色になるまで炒める。良い色になってきた位でにんにくとしょうがを入れる。
※玉ねぎ炒めのコツは強火で油を多めに入れること。油が少ないと焦げ付きます。ちょっと多いかな位の量で入れて下さい。焦げが出てきたら水を足して鍋底をこすれば取れます。足した水は次の行程に進む前に全部飛ばすようにして下さい。強火でやれば大体20分できつね色、30分位で飴色になります。にんにくとしょうがはどこで入れても良いんですが、にんにくはある程度火を通さないと臭みが残ります。炒め過ぎても風味が飛ぶので玉ねぎ炒めの後半で入れるのがお勧めです。

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③粗く刻んだトマトを加え、トマトの原型が無くなり水分が飛んでペースト状になる位まで煮詰める。
※トマトはカレーの味を左右する重要な存在です。味が薄いとカレーの味自体が鈍ります。赤く熟したものを使うのがお勧めですが、なかなか無いこともあると思うので、味の補強としてカゴメのトマトペーストを1個使うと割と安定すると思います。(味付け無しでトマトだけ濃縮しているペーストです。150円くらい。)

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④パウダースパイスと塩はあらかじめ混ぜておく。混ぜたスパイスを③の鍋に入れ炒める。3分くらい、全体が馴染むまで。

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※写真の緑のはレシピ外の山椒です。

⑤肉を入れて炒め、火が通ったら水200mlを入れ10分から15分くらい煮込む。

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⑥茄子は別のフライパンで油をひき炒め、素揚げのような状態にして、④の鍋に追加して5分程煮込み、全体を馴染ませたら出来上がり。

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※写真のはししとうも入れてます。

大分シンプルなレシピなんですが、こうして見ると結構長いですね…

ポイントは何と言っても玉ねぎとトマトから味を引き出すこと。
同じ分量でも火の入れ方で味が全然変わります。
超本格!というよりもカレールウを使わずに失敗なく最小限のスパイスからカレーを作るには?を考えて作ったレシピです。
慣れてきたらホールスパイスでカルダモン・クローブ・シナモンなんかも足してくと香りの奥行きが増します。

ちなみに僕が良く使うホールスパイスはこんな感じ。

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お試しあれ!


食い倒れスリランカ

気がつけばもう師走。
今年ももう終わりですね。

カレーに夢中ですっかりブログの更新を忘れてました。

例のごとくブログはサボってましたがカレーはサボらず食べ続けてます。今日現在で349食!昨年の実績が303だったんで今年は大幅に数字を伸ばせました。着地の見込みとしては355くらいでしょうか。(前年比117%)
1つの目標だった年間365食にはあと一歩と言ったところ。来年こそは達成したいなぁ。

カレー屋さんの訪店数は現在全国で353店舗。(関西174、関東174、その他5)
気がつけば関西に関東が追い付いてました。大阪に5年いたから関東2年でそれだけ行ったのか…我ながら、ちょっとどうかしてると思います。

ネタだけはたまりにたまっているので、時系列は無視して気の向くまま書いていきたいと思います。

いつもは番外編の旅日記、今回はスリランカなんでカレーです!
今年はあとマレーシア、メキシコ、キューバも行ったので、そのへんの食べ歩き日記もまぁそのうち…(カレー関係無いけど。)

という訳で先月は三連休に振休を2日つけてスリランカまでカレー食べに行ってきました。
迷ったらとりあえずやってみよう、が最近の信条です。

Colombo→Sigiriya→Dambulla→Kandy→Colombo→Negombo

Kandyの市場
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まだまだ日本では馴染みのないスリランカの料理、食べないなんてもったいない!ってくらい美味しいんです。どうせカレーだったらインドカレーと大して変わんないでしょ?って思ったそこのあなた!甘い、甘いよ…カレーで言ったらバーモントの甘口くらい甘いです。

インド料理よりも油使わなくてヘルシーだったりモルディブフィッシュっていう鰹節みたいなのを使ったりするので日本人にも凄く食べやすい味わい。特に日本のカレーライスと違うのは数種類のカレーとおかずを混ぜながら食べること。ちょっと違うけどビピンパみたいな感じと言えば分かりやすいですかね?

関西ではスリランカカレーがここ最近のブームになってますが、僕の場合東京でスリランカ人の友人が出来たことがスリランカに興味を持つ大きなきっかけになりました。彼の家で振る舞ってもらったスリランカのカレー。スパイスも調理工程も凄くシンプルなのにとにかく美味しい。

友人が作ってくれたスリランカカレー。
ポークカレー、パリップ(豆カレー)、ポルサンボール、インゲンの炒め物。
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インドとのスパイスの使い方の違いや混ぜて食べる食べ方などなど…気がつけばスリランカの世界に引き込まれてました。

何となく調べてみたスカイスキャナー、中国経由で往復5万のチケットを見つけた瞬間、こりゃあ行くしかないなぁと。

香取先生のレシピ本を片手に食べ歩き。レシピ本を旅に持って出たのは初の試みでしたが、現地の人に見せたら興味津々で会話がそれはもう弾むし何か喜んでもらえるしで凄い楽しかったです。
古都Kandyでは一泊ホームステイしてお母さんに家庭料理を教えてもらいました。これがもうめちゃくちゃ面白かった!
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作ってもらったのはこの7品。
Parippu(豆のカレー)
Wambatu salad(揚げ茄子のサラダ)
Chicken curry(文字通りのチキンカレー)
Ala beduma(ジャガイモの炒め物)
Kerrot and cabbage salad(人参とキャベツのサラダ)
Banana with papaya(バナナとパパイアのデザート)
Lime pickle(ライムのピクルス)

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旅先でのホームステイは初めてだったけどやってみて良かったです。お母さんもお父さんも親切で娘さんも好奇心旺盛、同じ日に別室に泊まったイギリス人、チェコ人も交えてリビングでは夜遅くまで盛り上がりました。

Kandyではスリランカ人の友達に聞いてたDevonでランプライス。
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食後には蜜がけヨーグルトのミーキリを。日本で食べるものより少し酸味が強いのが特徴かな。何でも水牛のヨーグルトなんだとか。
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首都コロンボ(厳密に言うと首都はスリジャヤワルダナプラコッテ)では香取先生のアドバイスを受けてブリヤーニに挑戦。ビリヤニスリランカ版です。こうやって料理が国を越えて伝わってく中で少しずつ土地や文化に合わせて変わっていくのを見るのが面白い!
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こういうのを見ると本場インドではどーのこーのとか言うよりも日本のカレーは日本に合わせて進化したものだと捉える方が面白いよなーと思います。

スパイスガーデンでは日本でなかなか見れないスパイスが栽培されてるのを見れました。クローブの葉っぱとかカルダモンの木とかでテンションが上がる日本人はなかなかいないですよね…
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観光の目的はシーギリヤロック!
とにかくこれがでかい。笑えるほどにでかい。そして登るのがつらい。それはもうしんどい。
今回は短い旅程で移動も多かったのでバックパッカーならぬリュックサッカーだったんですが、さすがに荷物背負って登るのはなかなかに堪えました。
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この壁画は何でも1500年前のものなんだとか。これだけ鮮明に残ってるなんて凄い。
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街としてはKandyの雰囲気が気に入りました。伝統のキャンディアンダンス。
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仏陀の歯がおさめられているという仏歯寺。
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Kandyの市場のスパイス屋さん。
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出会うスリランカ人みんなに3日しか滞在しないなんてなんてもったいない!って言われまくったけど、3日でも行けて良かった!
とにかく人が優しい良い国でした。

全てはここから始まった。【カシミール 北浜】


大阪と言えばスパイスカレー。
最近では日経にも記事で取り上げられてたり、大阪で独自に進化したカレーが全国的にも注目されてきてると言えます。
東京のカレー通の中でも関西の独自の進化と盛り上がるスリランカ熱は有名になりつつあるでしょう。

ここ最近の関西のカレーの盛り上がりを、何か好きだったインディーズバンドがメジャーで売れた時のような切ない気持ちで見てます。

売れる前から知っててんで。
大阪のカレーは凄いんやで、ホンマに。
スパイスの香がワーってなってだし効いててサラッとしてんのに旨みもあってガーッて食えんねん。
せやけどこんな有名なったらなんかかなわんわ…みたいな。

今でこそスパイスカレーという言葉が浸透してきましたが、それもこれも、全てはここから始まった。

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大阪でカレーを語る上で欠かせない伝説の店、カシミールです。

ここのことを書くのは非常に難しく…長らく書くのを控えてましたが勇気を出して書いてみることにします。

大阪のスパイスカレーの系譜カシミールから紐解いてみたいと思います。
※僕の私見が大分入ります。

マスターの後藤さんはEGO-WRAPPIN'の元ベーシスト。
営業時間は平日の大体12時から(最近では14時とか?)、売り切れ次第終了。土日月休みに加え臨時休業、開店遅延ありのフリーダム営業。
開店時間の一時間や二時間遅れは良くある話。にも関わらず絶えない行列…


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今でこそ笑い話ですが、昔は一見のお客さんが『オススメ何ですか?』と聞くだけで追い出されていたんだとか…

全部おすすめなんでね!!

大阪では有名なカレージョークです。

席はカウンターのみで9席。
オーダーを受けてから3食ずつ調理を始めます。

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メニューは壁に書いてある張り紙のみ。
この脱力感はわざとなのか何なのか。
頼むと怒られるラッシーとチャイはもう無いようです。
(一度だけ、僕が最後の客でチャイかラッシーを出してもらえたことがありました。どっちだったかは忘れたけど…あれは奇跡だったのか。)

辛さは通常は3、好みに応じて辛くすることは可能です。

オーダーは3人ごと、聞かれる前に注文しようとすると怒られます。呼ばれる前に椅子に座ろうとしても止められます。初めて行く人は本当に色々事前に知ってから行かないと危ない…その接客ゆえ、勝手に期待して文句を言う一見さんが多いのも分かりますが。最近は大分後藤さんも昔より丸くなったみたいです。おすすめを聞かれて普通に対応されてたという目撃情報もちらほら…

個人的な意見としては、お客様は神様だから接客には気を付けろとか、なってないとかで文句をつけたり、お店のことをこき下ろすような人は残念だなぁと思います。

味も接客も合わないと思えば二度と行かなければ良いだけのこと。

話が横に逸れました…

オーダーが入ってから調理は始まります。コンロにフライパンを3つ、仕込まれている液体とスパイス、肉、野菜と次々に投入されてきます。

全てが目分量のような、感覚の世界で調理されている雰囲気。インドのカレーとも欧風のカレーとも違う、唯一無二の作り方。

それがどうだとか、僕にはどうこう言えません。

ラーメン界で『二郎』がラーメンではなく『二郎』という食べ物だというように『カシミール』のカレーもまた、『カシミール』という料理だと思います。

ご飯の上からかけられた溢れんばかりのカレー。具には豆腐などの斬新な具材もちらほら。これが不思議とカレーに合うんだから凄い。

ミックスBチキン

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卓上にはピクルスが三種類

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どこにも無い、何にも似ていない唯一無二の味。この味が多くの人を魅了して、大阪のカレー文化は独自の進化を遂げたと僕は思います。(ここからは僕の私見です。)

食文化には歴史があります。ラーメンで言えば大勝軒があれだけの弟子を育て各地に店を広げていったように。カレーでも東京では例えば、デリーからボンベイ、アジャンタからたんどーる、ダバインディアからカッチャルバッチャルやカマルプール…名店のルーツを辿ると変遷と歴史があったりします。

大阪ではカシミールなんです。どこの店もカシミールの味を再現しようとはしていませんが、インドの伝統的なカレーでも、欧風の昔ながらの日本のカレーでもなく、スパイスを使った料理にはもっと自由な可能性があるということをカシミールは示してくれたんだと思います。

それぞれのカレー屋の店主がスパイスを研究し、試行錯誤を重ね、新しい自分だけの個性を探求してきた結果と、それを面白がって受け入れてきた大阪の人達が、今の大阪のカレー文化を作ってきたんだと思います。

個人的な好みの話でいくとカシミールのカレーは勿論好きですが心酔してハマる域まではいってません。何度食べても良く分からないんです。得体の知れないものを相手にしてる感覚になります。いつかカシミールのカレーを良く分かる日が来るのか、僕もまだまだ道半ばです。






土日月休み不定休あり
営業時間大体12時(定かではない)~売切次第終了

食い倒れイタリア

番外編の旅日記、今回はイタリアでローマの休日
芸術を嗜む大人になりたいと思うものの、
花より団子で食い倒れ。
イタリア料理最高でした。

観光はベタなコースでほどほどに…

Roma

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Firenze

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Venezia

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Verona

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Mirano

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カプリチョーザは気まぐれって意味らしい。ハム、きのこ、チーズ、トマト、オリーブ、サラミ、それに玉子。割った瞬間流れ出すとろとろの黄身とチーズが溶け合うマリアージュ…!(マリアージュって言いたいだけ)
ローマで食べたこれが最高に美味かった。イタリアではピザはステーキみたいに一人一枚ずつ切りながら食べるのが普通らしく、ナイフとフォークで食べます。日本で良く見る丸いカッターみたいなのは一回も出て来ませんでした。どっか違う地域のやつなのかな?
一人で一枚なんて絶対飽きるやろ…って思ってたけど、すいませんでした。全然飽きないくらい美味い!ちなみにローマ風はパリパリサクサク。ナポリ風はもちもち、らしい。ナポリ行ってないから知らんけど。


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老若男女みんな大好きジェラート
いたるところにGerateriaがあります。日本で言ったらカフェかコンビニ位の感覚。子どもは勿論ダンディーなナイスガイも渋いおじいちゃんも道端でジェラート食べてます。
美味しいと評判のとこや老舗と言われるところも色々試してみたけど、結局のところ大体美味しくて、逆に美味しくないジェラートに出会う方が至難の技。しかも早い、安い、美味いの三拍子が揃ってくれば最早食べない方が野暮というもの。
道を歩けばジェラート屋に当たるので誘惑から逃れるのが非常に難しく…滞在中1日3食ほど食べ続けました。笑
レモンとヨーグルトが特に美味かった!暑いせいもあってクリーム系の濃厚なやつは重かった…オペラとかティラミスとか。美味しいけど途中で飽きます。もう少し涼しかったら間違いなく美味いんだろうなぁ。

パスタ
個人的に好きな麺類ランキングでそうめんと最下位争いをするパスタ。正直そんなに好きじゃなかったんですけど前言撤回。もうこれがめちゃくちゃ美味かった。


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ボロネーゼ

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イカスミ

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シーフード

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どれも筆舌に尽くしがたく…シンプルな味付けながら素材の味が生かされていて、大体トマトソースがベースなのに具材に合わせて絶妙に味が違う。
パスタってこんなに美味しいんですね。
ヴェネツィアで食べたマリナーラがマイベスト。テイクアウト専用のファーストフードなのに絶品。見た目はかなりしょぼいのにレストランで食べるよりも美味かった。tripadviser(旅行者用の食べログみたいなもん)一位は伊達じゃないです。

ティラミス

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イタリアはとにかくドルチェが美味しい。もともと大好きだったんですけどティラミスももれなく美味かった。ただこれもかなり濃厚につき、食べ続けると飽きてきます。エスプレッソとの相性は抜群!ティラミスばっかでパンナコッタ食べ損ねた…なんてこった。

その他。ローマの牛テールの煮込み

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ヴェローナの馬肉のワイン煮込みポレンタ添え

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ポレンタが何なのかは不明…

トマト味の煮込み料理に間違いはない、です。
以上!

語彙の少なさが悔しいですが、言葉では語り尽くせないのが料理の素晴らしいところ。
百聞は一見に如かず、百見は一食に如かず。
とにかく言いたいのはこの一言。

Buooooono!!

噛み締める、野菜の旨さ。【Rojiura Curry SAMURAI. 下北沢】

スープカレー特集その2は下北沢のRojiura Curry SAMURAI.です。

マジックスパイスで有名な下北沢、もともとカレー屋さんは多かったものの、ここ最近はスープカレーのお店が増え瞬く間に激戦区となりました。

ご多分にもれず、こちらのお店も札幌からの進出。北口から少し歩き、店名の通り路地裏にあるんですが行列が出来てて結構待ちます。

内装は下北沢らしく、肩の力が良い感じで抜けたお洒落さ。

店員さんの雰囲気も下北沢っぽくて、良い意味でテンションが高くなく、個人的にはここの接客と雰囲気、結構好きです。

前回、1回目に来たときは一番豪華な侍スペシャルにしました。
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チキン、豚の角煮、挽き肉、ザンギ(からあげ)、サクサクブロッコリー、野菜20品目の豪華なメニュー!
彩りも鮮やか。野菜の量も本当に多い。
スープはレギュラーで。

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メニューはメイン、スープ、辛さ、ご飯の量、トッピングを選ぶタイプ。スープカレーは組み合わせが色々楽しめるので、好みに合わせて色んな頼み方が出来ますね。

思ってた以上に量があり、前回は野菜を食べるのに必死でスープを楽しむ余裕がありませんでした。前回の反省を生かしつつ、でも沢山食べたいしで…今回は侍祭りに。
侍祭りは店内の壁にあるトッピングから3種類か4種類選ぶというもの。トッピングは季節により変わる様子。
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チキン1/2、豚角煮、牡蠣、ゴボウの4種をセレクト。
スープはマイルドココナッツの4辛で。

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奥芝も大概野菜が美味しかったですが、侍は野菜の一つ一つが食べやすい大きさで少し小さくなっており、その分野菜の種類が多い。
じゃがいも、豆、かぼちゃ、茄子、水菜、きくらげ、さつまいも、蓮根、ピーマン、パプリカ、人参、キャベツ、ブロッコリー…そして何よりゴボウが旨い。
醤油と味醂で煮込み味付けされた上に衣をつけ揚げられているゴボウ。
もうこれが本っ当に旨い。

噛み締める程に口の中に広がるゴボウの風味と甘さ。
たまりません。

スープは好みなので人によると思いますが前回のレギュラーよりもマイルドココナッツの方が好みでした。
トマトベースに和風のだしと豆乳にココナッツのまろやかさの濃厚な味わい。
とろりとしたスープは粘度も普通のスープカレーよりも高く特徴的。

個人的には山椒か花椒?の痺れる辛さがツボでした。カレーに山椒と花椒、使ってるところって少ないんだけど美味しいんだよなぁ。

とにかく美味しい店なんですが、大食いに自信の無い方、女性の方なんかは頼む時の量に気をつけた方が良いかも。20品目の野菜は相当多いのでご飯は少なめにするとか、野菜は13品目にしておくとか。

個人的な拘りとしてスープカレーを食べる時は最後にスープを残しておくのが好きなので、ご飯と野菜に追われてスープが楽しめないのは勿体ない気がするんです…

食後はラッシーを。
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奥芝とは対照的にここのラッシーは濃厚。
山椒(花椒?)の痺れた余韻に浸りながらのラッシー…最高です。



Rojiura Curry SAMURAI.
東京都世田谷区北沢3-31-14

11:30~15:30 L.O.15:00
17:30~22:30 L.O.22:00
※休日は行列にご注意を。

定休無し

本丸攻略!待ち時間に納得の味わい。【奥芝商店 八王子田代城】

最近のマイブーム、スープカレー特集その1はこちらのお店。
奥芝商店 八王子田代城。
札幌の名店です。
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去年の秋くらいからスープカレーにハマってて、ずっと前から行ってみたいとは思ってたものの、八王子って遠いし60分待ちが普通の超人気店だとかでなかなか行けず…
仕事で八王子の方に行く機会があったので、ここぞとばかりに行ってきました。

待ち時間のシステムは結構斬新。
機械が入口にあって、待ち時間何分とか出ます。(直接使わなかったんで機能良く分かってませんが…)
店頭に行列を作らないように工夫がされてるのは良いなぁと思います。
最初はキャンセル待ちと聞いて諦めかけたものの、20分くらいで入れました。

金曜の夜遅くということもあり売り切れも多く…ちょっと残念でしたがまぁ思ったより待たずに入れたので良しとしよう。

レトロな古民家を改装したような感じの店内。
オーダーしてから来るまでも少し待ち時間は長め。

メニューは1.スープ 2.メイン 3.トッピング 4.辛さ 5.ご飯を選んでいきます。
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スープはエビが売り切れで薬膳チキンスープに。
メインはチキン食べたかったけど前の人で売り切れとのこと…肉がひたすら食べたかったので豚角煮と大根のスープカレーにベーコントッピングにしました。
無料トッピングはホールトマト、辛さはメイ…じゃなくて皐月で。ご飯は白米。玄米は売り切れでした。
辛さ表記はマジスパと同じで独特な感じです。

カレーが机に運ばれてからミルで挽いてくれるスパイスとハーブがとても良い香り。
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まろやかで濃厚なトマトベースのスープ、肉と野菜がそれぞれ丁寧に調理されてるのが食べる程に良く分かる。
かぼちゃ、大根、茄子、にんじん、いんげん、トマト、ピーマン…野菜の一つ一つが美味しい。
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とろとろの豚角煮に食感が嬉しい分厚いベーコン、思った以上に量が多くて嬉しい悲鳴。

こりゃあ時間がかかる訳だ。

納得の待ち時間、納得の味わい。

待ち時間が長い店って事前情報だけで何となくネガティブなイメージを持ってたけど店員さんの接客も丁寧で感じが良く、素敵なお店でした。
すいません、どうやら心が汚れてたのは僕の方みたいです。

食後にはブルーベリーラッシーを。
サラサラでした。量は結構多め。
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やはり百聞は一見にしかず。
百見は一食にしかず。

また八王子までわざわざ行っても、食べたいなぁ。



奥芝商店 八王子田代城
東京都八王子市子安町4-5-5

月曜定休
火~土 11:00~15:00
17:30~22:00(L.O.)
日祝11:00~20:00(L.O.)
売切次第終了